◆麻酔器・人口呼吸器・モニター機器
新生児対応ベンチレーター付き高性能全身麻酔器×3台
動物用ベンチレーター付き全身麻酔器×4台
人工呼吸器×3台 
医療用エアーコンプレッサー×2台
マルチタイプ生体情報モニター×6台(ICU管理用を除く)
呼気ガスモニター×1台(ICU管理用を除く)
換気量モニター×3台
筋弛緩モニタリング装置×1台
手術タイマー
 動物における外科的処置には人と異なり全身麻酔が基本となります。近年,安全性の高い全身麻酔薬の開発や麻酔時の各種モニター機器の高性能化により,昔に比べると全身麻酔の安全性は飛躍的に向上しています。しかし,全身麻酔は健康な動物であっても100%安全というものではなく,まして病気の動物となると全身麻酔の危険性や,さまざまな合併症は無視できない問題となります。特に,代謝機能が不十分な若齢動物や老齢動物,あるいは肝不全,腎不全,心不全や呼吸不全など生命維持に不可欠な機能が低下しているような動物においては,全身麻酔の危険性はより高くなります。当院では,重症動物の手術(特に心不全動物や肝不全動物の依頼手術)を多く手がけているため,麻酔管理には特に注意を払っています。中でも全身麻酔器や術中や術後のモニターシステムは,人の大学病院レベルの設備が導入されており,訓練されたスタッフと共に当院における手術の高成績を支えるベースになっています。
 
■新生児対応人工呼吸器内蔵全身麻酔器 Apollo(Drager)  

  世界的に有名なドレーゲル社(ドイツ)製の国内輸入モデルでは最新鋭で最上位機種となるフルオプション仕様の新生児対応の最高級麻酔ワークステーションです。Apolloは,下記のCatoの後継機種となりますが,さまざまな人工呼吸モードが利用できるのはもちろんのこと,回路内ヒーティング機能,UPS(無停電電源装置),トリガー調節機能,スパイロメーター(ループ表示)などに加え呼吸状態を模擬音で確認できるなど安全性に配慮した使いやすい工夫が随所にみられます。人工呼吸器やモニター機能は長時間型人工呼吸器に匹敵する高性能化がなされております。
  小動物の麻酔時における呼吸管理は,体重が小さい動物ほど難しいのですが,トイ犬種や猫あるいはその若齢動物における使用においても,これまでの同社のハイエンド麻酔器であったCato以上に安定した呼吸管理を実現し,特にウィーニング時(調節呼吸からの離脱)には患者に不快感を与えることなく,スムーズな自発呼吸への移行が実感できます。高価な麻酔器であるため,すぐに導入する予定はなかったのですが,デモで使用してみてその性能と使い勝手のよさに圧倒され,導入に踏み切りました。当院ではGEマルケット社製のモニターシステムと組み合わせて手術室のメイン麻酔器として2007年12月より稼働しています。
※ 2013年6月には処置室にもAplloを追加導入し,麻酔導入からCT検査後などの麻酔覚醒にもAplloでの管理ができるようになりました。また,救急時の心肺蘇生においてもフルモニターでの呼吸管理に役立っています。

 


 

■新生児対応人工呼吸器内蔵全身麻酔器 Cato(Drager)  

 さまざまな人工呼吸モードを搭載したドレーゲル社(ドイツ)製の新生児対応の最高級麻酔システムです。人用の麻酔器ですが,小さな動物から大型の動物までオールマイティーに利用できます。当院では2002年から2007年まで手術室のメイン麻酔器として活躍していましたが,Catoの後継機である上記のApollo導入後は処置室で麻酔導入時や検査時の麻酔管理に使用していました。また,2013年5月に処置室にApolloが導入後は,回復室に移設し,歯石除去や外傷処置の際の麻酔管理に使用しています。
  実は,このCatoは国内では一流の大学病院(医学部)を中心に使用されてきたハイエンド麻酔器で,もちろん獣医科領域での導入は当院が初めてでした。この麻酔器を導入したことで,麻酔時における呼吸管理の安定性は格段に向上し,小型サイズの動物や長時間の手術でも麻酔の安全性が飛躍的に高まりました。このCatoとの出会いは強烈に印象深く,小動物外科分野で高度医療を目指す上で,高性能麻酔器の重要性を実感させてくれました。

 



動物用全身麻酔機器
 
NS-3000(ACOMA)
リモート息止め機能付き人工呼吸器
 
Compos β-EV(Metran)
  リモート息止め機能付きの人工呼吸器を組み合わせた全身麻酔装置です。CT室に設置しており,CT撮影中の動物の麻酔や呼吸管理に使用しています。動物におけるCT撮影では,人と異なりほとんどの場合,全身麻酔が必要となります。さらに息止めも特殊な装置を利用しないとできません。当院では,CT検査のために麻酔を行う場合においても,最新の高性能麻酔器と麻酔モニターを使用して安全な麻酔に心がけています。

 
 
動物用全身麻酔機器 NS-5000(ACOMA)
■人工呼吸器 Compos β-EV(Metran)

  メトラン社のプレッシャーリミテッド付きタイムサイクル式人工呼吸器コンポスβ-EVを接続した動物用のコンパクトな全身麻酔システムです。

 

その他の人工呼吸器付き全身麻酔機器とエアーコンプレッサー

 左の麻酔器は開業当初に購入した新鋭工業の動物用麻酔器(Soft Lander)とアコマ社製小児用人工呼吸器(ACE3000)を組み合わせたコンパクトな全身麻酔システムです。中央の麻酔器は プレッシャーサイクル式の人工呼吸器バードマーク7に吸入麻酔回路をドッキングさせた全身麻酔システムです。バードマーク7は,非常にシンプルな構造で操作も簡単なため,10年以上前は動物病院で最も普及していた人工呼吸器で,今なお現役で使用されている動物病院も少なくないかもしれません。当院ではこれらの麻酔器はすでに一戦を退いていますが,酸素吸入用などの別の用途で時々利用しています。右のボックスは医療用としては最もコンパクトなエアーコンプレッサー(木村医科機械)で,麻酔器に接続してウイーニング時などに酸素濃度を調節するために使用しています。


 
長時間対応型小児・成人用人工呼吸器
   M6α(Metran)

  メトラン社の小児用・成人用人工呼吸器システムです。コンプレッサー内蔵で酸素濃度調節機能や呼吸回路の加温や加湿機能などフルオプション仕様となっており,ICUでの麻酔覚醒時や長時間の人工呼吸管理が必要な場合に使用しています。
 
 
■ベッドサイドモニター CSM-1000 Life Scope G9(NIHON KOUDEN) 2017.3

 手術室の麻酔器Apolloにドッキングさせてメインの術中監視モニターとして使用している日本光電社製の最上位機種のマルチモニター装置です。心電図や血圧をはじめ,パルスオキシメーターや麻酔ガス濃度を含む呼気ガスモニターおよびスパイロメーターなど手術中の動物の生体情報を大型スレーブモニターを含む複数の画面で確認することができるようになっています。最上位の生体監視モニターは,どうしても人体用を利用することになるのですが,多くのパラメーターが利用できる反面,非観血の血圧測定において人のパラメーターは動物には使い辛いというジレンマがありました。2017年3月に導入したこのモニターに関しては,メーカーの協力により,非観血の血圧測定モジュールとパラメーターを動物専用のものに載せ替えてもらうことで,この問題を解決しています。



 
■ベッドサイドモニター B850(GE Healthcare) 2016.9

 回復室の新生児対応麻酔機ドレーゲルCatoにドッキングさせて歯石除去時の監視モニターとして使用しているGE Healthcare社製の最上位機種のマルチモニター装置です。心電図や血圧をはじめ,パルスオキシメーターや麻酔ガス濃度ーを含む呼気ガスモニターおよびスパイロメーターなど麻酔処置中の動物の生体情報を2つの大型モニター画面で確認することができるようになっています。
  近年,動物も高齢化が進み,歯石除去や歯周病の治療が必要となる症例が多いのですが,適切な処置のためには全身麻酔が不可欠となっています。特に高齢動物や超小型の動物では,麻酔管理(特に呼吸管理)には最新の注意が必要となるのですが,通常メイン手術室で使用される高性能マルチモニターを利用することで,麻酔や処置の安全性を高めています。

 
■ベッドサイドモニター SOLAR9500(GE MARQUETTE)

 手術室の麻酔器Apolloにドッキングさせてメインの術中監視モニターとして使用していたGEマルケット社製の最上位機種のマルチモニター装置です。心電図や血圧をはじめ,パルスオキシメーターや麻酔ガス濃度を含む呼気ガスモニターおよびスパイロメーターなど手術中の動物の生体情報を大型スレーブモニターを含む複数の画面で確認することができるようになっています。※このモニターは大変お気に入りのモニターでしたが,2016年に現役を退きました。

 
生体情報モニター Infinity Kappa XTL(Drager)

  処置室の麻酔機Apollpにドッキングさせて麻酔導入時の麻酔モニターとして,あるいは救急蘇生時の生体監視モニターとして使用しているドレーゲル社の国内最上位機種のマルチモニター装置です。心電図や血圧をはじめ,パルスオキシメーターや呼気ガスモニター,麻酔機と連携しての換気量モニターが可能となっています。麻酔導入時には血行動態や呼吸抑制が起こりやすいため,術中のみならず,術前の準備段階でこれらの生体監視モニターを装着することはハイリスク患者にとっては非常に重要となります。
 
生体情報モニター BSM-5192(NIHON KOHDEN)

  マルチタイプの動物用生体情報モニタです。非常にコンパクトでありながらも心電図や血圧をはじめ,パルスオキシメーターや呼気ガスモニターなどの機能が凝集されています。このモニター装置はCT室に置かれており,CT検査時の麻酔モニターとして使用しています。
 
生体情報モニター BP508 Type-VS(COLIN)

  マルチタイプの動物用生体情報モニタです。非常にコンパクトでありながらも心電図や血圧をはじめ,パルスオキシメーターや呼気ガスモニターなどの機能が凝集されています。当院では回復室に置かれており,主に歯石除去や外傷処置などを行う場合の全身麻酔時に換気量モニターと組み合わせて麻酔モニターとして使用しています。
 
■呼気ガスモニター CAPNOX CX-2Sp(COLIN)

 当院で初めて導入したカプノメーターで,麻酔ガス濃度とパルスオキシメーター付きのマルチタイプの呼気ガスモニター装置です。現在はレントゲン室で,他の心電図モニターなどと組み合わせて使用しています。麻酔モニターとして呼気ガスモニターを利用することで,麻酔時における呼吸管理の安全性が飛躍的に向上しました。
 
ベッドサイド・手術室モニター DS-3300(FUKUDA)

 このモニターは開業当初に導入した初代のモニターで,呼気ガスモニターは内蔵されていませんが,心拍出量や観血的血圧などの心カテーテル検査にも対応した,高性能マルチモニターです。現在は,すでに一戦を退いていますが,他の呼気ガスモニターや換気量モニターと組み合わせることで高性能ベッドサイドモニターとして利用できます。

 
■換気量モニター 左: MAGTRAC W(fdE ),右: VT-3(IMI)

 麻酔時における呼吸管理の基本となる1回換気量や分時換気量などを客観的に把握するための換気量専用モニター装置です。人用の高級麻酔器やモニターには換気量モニター機能が,装備されているものが多いのですが,現在市販されている動物用の麻酔器やモニターには残念ながらこれらの機能がありません。このため当院では換気量モニター機能が内蔵されていない麻酔器やモニターの使用時にはこれらの換気量専用モニターを組み合わせて使用しています。

 
筋弛緩モニタリング装置
 
TOFウォッチ(NIHONN KOHDEN)

  手術のための全身麻酔時に使用する筋弛緩剤の効果を定量的に評価するためのモニタリング装置です。

 
■手術タイマー

 手術室の壁に内蔵されている麻酔時間や手術時間をデジタル表示するためのタイマーです。

 

 


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